インド人とのハードな交渉


海外でビジネスをすると、様々な局面で出くわします。
そのうちやっかいなものの一つが、交渉です。例えば最近のTPPの外交交渉などを見ても、いかに海外の国々と調整し着地点を見出すのが大変なことかわかります。TPPほど大掛かりではなくとも、同じような局面は海外ビジネスシーンでは至るところにあります。
日本の総合商社はそういったノウハウをたくさん持っていると思い、交渉の大変さについて聞いてみました。
「商売上手で有名なのはユダヤ人と華僑ですが、インドの人もなかなかのものです。インドには世界2位の12億の人々が住み、宗教も様々です。有名なカースト制もまだ残っています。当たり前かも知れませんが、インド人は儲けるためにビジネスをやります。もっと言うと、儲けるためには手段を選びません。
例えば、ある案件で交渉していると韓国も同じアプローチをしてきてると言う。当然、向こうの方が値段は安い。よく調べると、それはブラフ(はったり)だということがありました(笑)。
また、3つの取り引きを同時進行していた時がありました。一つずつ合意にこぎつけ、いよいよ最後の取り引きの条件交渉も大詰めになった時、“じゃあ、先の2つの取り引きの条件もまとめて見直そう”と真顔で言ってきました。初めてこういった経験をした時は、本当に心が折れそうになりました(笑)。
日本人は、“沈黙は金”という考え方がありますが、世界では通用しません。お互いのメリットを主張し合い、交渉に交渉を重ねる必要があります。インド人がタフ・ネゴシエーターと言われるのはこのためです。しかし、相手も人間です。交渉を重ねるうちに、信頼関係ができ、そうなると一気にスムーズに物事が進むようになります。そこまでの関係を築くまで、耐えれるか。粘り強さが、とても大事なのです」
日頃はインドカレーぐらいしか馴染みのないインドですが、ビジネスを一緒に組むのはなかなか大変そうですね。