浮かぶゼネコン 沈むゼネコン


アベノミクスによって、少しづつ景気回復の兆しが見えてきました。
高級宝石が売れ始めたり、最近は、カニ弁当が売れているそうです(笑)
そんな中、公共工事への投資回復が注目されています。
一部では、バブルが発生しているようですが、手放しに喜べる状況だけではないようです。
そのポイントは、“採算割れ”
当然ですが、企業活動の目的は、“利益追求”です。利益を生まない活動は本来するべきではありません。
そんな気になる状況にフォーカスした記事を、ご紹介します。
浮かぶゼネコン 沈むゼネコン
公共工事が増えるからといって、一概にゼネコン業界が潤うという図式は成り立たない。むしろコスト高によって、大赤字の危機に瀕するゼネコンも現れ始めた。
◆東高西低」「土高建低」が顕著 中堅ゼネコンの天国と地獄
国土強靭化銘柄として注目されることが増えたゼネコン各社だが、その得意分野などによって明暗がはっきりとしてきた。大手30社のランキングで、ゼネコン各社の実力を比べてみた。
東日本大震災の復旧・復興工事でゼネコン業界は息を吹き返す。そう期待されて2年ほどが事の急増に伴う労務費や資材費の上昇によって、コス上局に見舞われ、一気に収支が悪化したのだ。
1月10日、そんなゼネコンの1社である浅沼組が業績予想の下方修正を発表した。当期損失50億円に沈み、2期連続の赤字決算となる見通しで、合わせて150人の希望退職募集や、創業家出身の2人の取締役退任など、リストラ策も打ち出した。
浅沼組は大阪市に本社を構え、マンションエ事などで実績のある中堅ゼネコンだが、その得意ジャンルが裏目に出た格好だ。
「完成まで1円も支払いをしない、何か瑕疵があれば全面的にゼネコンが責任を負うなど、あまりにもひどい契約が多すぎる」―。
 
あるゼネコンのトップが嘆くように、民間建築工事の中でも、特にマンション工事は激しいダンピング合戦が繰り広げられており、赤字工事も珍しくない。
しかし、中堅ゼネコンで建築事業が主体となれば、その儲かりにくいマンション工事で糊口を凌ぐよりほかないのが実情で、浅沼組も例外ではない。さらに浅沼組は、あるマンションプロジェクトで痛い失敗もしていた。
◆基礎部分の欠陥発覚などマンション工事で疲弊
都会の真ん中にあるオアシスとして、おしゃれな店舗が集まる周辺地域と合わせて人気スポットとなっている靭公園(大阪市西区)。その靭公園と道路を挟んですぐの好立地に建つはずだったマンションがある。
大和ハウス工業の「プレミスト靭公園アイシア」と名付けられたそのマンションプロジェクトは、2010年8月に着工し、12年3月には完成する予定だったが、いまだに基礎がむき出しのまま、放置されている(左写真)。
基礎部分の欠陥工事が発覚して分譲中止となり、浅沼組が大和ハウスから買い取らざるを得なくなった物件なのだ。当然ながら、かなりの損失が出たと推定される。
浅沼組だけでなく、戸田建設や安藤建設、銭高組など、建築が得意な中堅ゼネコンはいずれも赤字転落となっている。
昨年6月にハザマとの合併を発表した安藤建設は、「建築の利益率悪化が陥落の理由」との見方がもっぱらだ。一方のハザマは土木に強い。
あるメガバンク関係者は「これからは安藤-ハザマタイプの再編を目指さなければ、建築主体のゼネコンは生き残りが難しい」と話す。だが、当のゼネコン業界は「安藤-ハザマはレアケース」とし、「再編にはメリットが少ない」と冷ややかで、再編が進みそうな雰囲気はまったくない。
今後もしばらくは、土木工事が増える一方で、コスト高が進むという構図に変化は見られそうになく、ますます明暗がくっきりと分かれそうだ。
表3‐1は、そうした環境下で「浮かぶゼネコン」と「沈むゼネコン」をランキングにしたものだ。
指標は四つ。①国土交通省発注の土木工事における元請け(スポンサー)としての受注実績、②受注高に占める土木比率、⑤完成工事総利益率、そして④本社所在地の4項目を点数化、点数の高いほうから並べた。
1位の五洋建設や3位の東洋建設、そして6位の東亜建設工業はいずれも港湾工事に強いマリコンだ。会社数が少ないため、過当競争にならないという業界環境があり、上位にランクインした。
2位の鹿島、4位の大成建設など、スーパーゼネコンも順当に上位に来ている。ただし、スーパー5社の中で唯一、建築主体の竹中工務店は下位に沈んだ。
問題の中堅ゼネコンは、いずれも厳しいが、前述した浅沼組が最下位になったのを始め、土木と建築どちらが主体かで分かれた形となった。
【ゼネコン30社ランキング】
※社名の次に3年合計受注額(百万円)、土木比率、完成工事純利益率を表示
1、五洋建設/58,302/52,2%/7,5%
2、鹿島/61,632/27,7%/7,1%
3、東洋建設/46,914/72,8%/6,9%
4、大成建設/49,393/22,7%/8,9%
5、清水建設/54,387/20,7%/5,7%
6、東亜建設工業/35,008/64,8%/8,5%
6、ハザマ/39,935/49,3%/8,4%
8、前田建設工業/40,845/36,4%/7,4%
9、大林組/28,895/23,3%/8,4%
10、東鉄工業/0/0/13,0%
11、戸田建設/30,183%/17,9%/4,0%
11、西松建設/18,746/49,2%/4,6%
13、熊谷組/20,600/35,1%/4,7%
14、三井住友建設/17,676/34,2%/5,2%
15、鉄建/8,660/47,2%/5,1%
16、飛島建設/1,859/61,9%/5,3%
17、フジタ/9,018/26,5%/7,1%
18、ピーエス三菱/3,401/43,2%/6,3%
19、大豊建設/4,151/46,2%/4,4%
20、大鉄工業/0/63,3%/9,6%
20、太平工業/0/9,3%/12,1%
22、鴻池組/12,394/33,7%/6,3%
22、奥村組/12,296/34,7%/5,7%
24、東急建設/3,733/19,2%/5,2%
25、大本組/4,469/33,3%/7,3%
26、長谷工コーポレーション/0/1,0%/7,8%
27、安藤建設/0/4,7%/5,1%
28、銭高組/5,848/22,9%/4,0%
29、竹中工務店/0/3,9%/6,9%
30、浅沼組/808/15,5%/▲1,0%
今後しばらく業界を取り巻く環境は、変わりそうにない。となれば、さらに格差が広がるばかりか、破綻に追い込まれてしまうゼネコンが出るかも知れない。

 

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◆国土強靭化のボトルネック ゼネコン襲う人手・資材不足
東日本大震災の発生からまもなく2年。被災3県では復旧・復興工事が続いているが、人手や資材の不足とコスト高に悩まされる日々だ。国土強靭化計画が進めば、全国的な問題となる。
生コンクリートは必要量のおよそ半分、盛土に至っては、必要量の7割以上が不足するのではないか―。宮城県の建設業界では今、こんな予測が流れている。
公共工事がピーク時の3分の1にまで落ち込み、リストラによって建設業従事者も激減した中で起きた東日本大震災。作業員が足りないのは当然だが、それ以外にも、重機やダンプカー、生コンなどの設備プラントに至るまで、ありとあらゆるものが不足している。
被災地で最も復興が進んでいる仙台地域はそうした状態がいち早く表面化しているのだ。
生コンの場合、宮城県内での月間生産能力は約42万立方メートル。ミキサー車で撹絆しながら運搬しなければならないから、遠方から持ってくることはできない。
ところが、原料となる砕石や砂が不足している。これらは県外から運ぶことはできるものの、大型船に対応できる港湾が不足しているため、十分な量を調達できないという問題が浮上している。
その結果、現在供給できている生コンの量は27万立方メートル弱。生コンが手に入らず、工事が遅れることで毎月、生コン必要量がさらに積み上がる。「これらを足し合わせると、おそらく半分くらいが不足しているという計算になる」(千葉嘉春・宮城県建設業協会専務理事)という。
◆人材確保に大わらわ 不調工事は相変わらず
これから問題が本格化すると恐れられているのは盛土だ。高台移転などに使われるもので、現在のところ3900万立方メートルの必要量に対して、900万立方メートルほどしか確保できない見通しだ。
さらに、沿岸地の防風林の下にも敷かれることが決まっているが、これは今のところ計算に含まれていないという。宮城県の海岸線に沿って盛土をするというのだから、おそらく気の遠くなるような量なのだろう。
 
不足している資材を代替品で賄える工事は入札が進んでいる。だが、代替品がない工事も多く、そうした入札は多くが不調(入札参加者がI社もないこと)になるという。
実際、宮城県における2012年4~9月の不調発生率は33%11年度は小規模工事を中心に不調が発生していたが、12年度は1億円以上の大規模工事にまで広がっている。
「県外などから来たゼネコンはこうした事情を知らないのか、地元が敬遠する工事に入札しているケースもある」というが、安易に飛びつけば大やけどしかねない。
資材に加えて、人手不足も深刻化している。
復興によって工事量は3倍に増えたが、人を3倍に増やすのは難しい。「ぎつい、汚い、危険」の3Kである上に、賃金も安い建設業は人気がないからだ。
純に言えば、必要人数の3単分の2程度を県外から連れてこなければならず、現場は大わらわだ。
 
ホテルだけでは足りず、民家を借り上げてリフォームし作業員宿舎に充てるなど、あの手この手で宿泊施設の確保に腐心するが、空前の売り手市場であるため、アフターフォローにもカネがかかる。
 
「あそこのメシはまずい」などといった文句が出れば、次の工事で人を集めるのが難しくなる。もちろん、そうした対応にもカネがかかる。
◆全国に普及するコスト高 大赤字転落の元凶に
こうした状況は、被災地のみならず、全国に波及している。
このところ、東京・大手町の再開発現場などでも人手不足で工事が遅れがちだ。納期1ヵ月前になるとカネに糸目をつけずに人をかき集めて、突貫工事で何とか仕上げるというような異常事態まで見られるようになっている。
労務費も高騰している。例え労ば型枠工の場合、「労賃は1.5倍くらいに値上がりしているが、ゼネコンの発注単価(契約時の見積もりに入る労街づくり計画の策定と事業推進集団移転・区画整理など(※実線は現在の取り組み、点線は今後予定されている取り組み務費)はこの3~4年で3分の2ほどに下がったままで、収益を圧迫している」。建設業コンサルティングを手がけるフューチャーソソリューションズの勘坂剛正社長はこう話す。
労務費や資材費は上がる一方だが、工事費への反映は道半ばだ。
というのも、「これまでは、コストが下がればゼネコンはこっそり儲けに計上してきたはず。なぜ値上げだけをのまねばならないのか」と発注者が反発しているからだ。
今後、国土強靭化で公共工事が増えれば増えるほど、ますますコス上局が進んでいき、ゼネコン各社は苦しむことになる。
表3-2にあるように、スーパーゼネコンであってもコスト高の影響はじわじわと表れており、特に建築部門は採算が確実に悪化している会社がほとんどだ。
さらに建築主体の中堅ゼネコンの場合、安値受注が常態化していたところにコスト高が襲ってきたため、大赤字に転落する会社が後を絶たない。
「極端な安値受注をしていた会社下請けや孫請けが逃げ出した廃業に追い込まれたりして、系列が崩れてしまっている」(あるゼネコン社長)から、かつてのように「多少安いけれど、長いお付き合いだから仕事を受ける」といがれき処理から地盤沈下の解消、高台移転に至るまで、被災地の工事は膨大な量。大石モノも不足しているつた人間関係が希薄になっている。
つまり、下請けなどを泣かして儲けを出すことが難しくなっており、これまで以上に市場価格の高騰がダイレクトに業績に反映してしまうのだ。
高い技術力を持つスーパーゼネコンと、国土強靭化などで恩恵を受けるであろう地場ゼネコンは仕事量を確保できるが、そのどちらでもない中堅ゼネコンは、仕事量は増えず、コスト高だけが襲ってくる。
急激な工事量増加がむしろ、命取りになるゼネコンも出てくるだろう。
◆工事急増で現場は大混乱 行政と業界に必要な意識改革
急激な工事量増加を吸収するためには、発注の仕組みや見積もりのやり方を効率的にする必要がある。行政やゼネコン業界の意識改革は進むだろうか。
「値上げをお願いしても、前例がないから、と一蹴されてしまう。」
大手ゼネコン幹部が憤慨するのは、いわゆる官庁工事での担当者の融通の利かなさだ。
これだけの労務費や資材費の高騰がいわれているにもかかわらず、頑として値上げに応じない姿勢は、民間発注者の比ではないという。国土交通省もヒアリングに乗り出したほどで、今後、どの程度正されるかが注目される。
被災地での復興工事に関しては、労務費や資材費の上昇を、後から上乗せできる体制が整っているとはされているものの、被災地のあるゼネコン社長は「本当に応じてくれるかどうか不透明」と指摘し、「事務作業も膨大に増えた」とこぼす。
例えば、これまで発生しなかった県外作業員の宿泊費用や食費、現場までの移動費などは、いちいち伝票を起こさなければならず、作業量は増える一方だ。
 
だとすれば、受ける側の県に膨大な量の伝票が集まり、混乱するのは想像に難くない。県のチェック作業が遅れれば、その分、支払いが遅れ、経営を圧迫する。
「県外からの人の調達が必要なことはわかりきっていた。その分を最初から見積もりに盛り込む体制にしてくれたらいいのだが」とこの社長はぼやく。
払う、払わないでもめた場合も気がかりだという。「心証が悪くなれば、いずれ平常時に戻ったときに、受注しづらくなるから」(社長)だ。
また、設計労務単価(見積時に用いる単価)を決める仕組みに対しても不満は多い。過去の入札における安値を基準に単価を決めてきたからだ。
結果的にダンピングが進み、地方では単価が4割以上下がったところも多い。
図3‐4にあるように、就業者の減少は続いてきた。仕事量の減少だけでなく、急激な賃金の減少も、建設業離れを加速させたのだ。「最低限、労働者が食えるくらいの賃金水準で労務単価をつくってもらえないものか」(同)。
◆被災地で進むCM方式 脱請負の切り札なるか
硬直化した発注システムを変えるべく、新しい取り組みも始まっている。
例えば被災地で国が導入したCM(コンストラクションーマネメント)方式。図3‐5にあるように、発注者が担うべき業務の一部を民間のゼネコンなどに委託することで、復興事業を早く進めようというものだ。
建設業界の人手不足が叫ばれているが、実は復興による急な工事量増加で人手不足に陥っているのは行政側も同じなのだ。
宮城県女川町や東松島市、岩手県陸前高田市などでの復興街づくり計画では、都市再生機構(UR)の協力のもと、CM方式での発注が決まっている。また、宮城県気仙沼市の漁港でも採用される見通しとなるなど、じわじわと広がりを見せている。
ある国交省幹部は「日本のゼネコンはいまだに請負業にばかり腐心するが、海外では大手ゼネコンはCM方式のようなフィービジネスが一般的。今後は全国でCM方式を増やして行きたい」と意欲を見せる。
つまり、被災地でのCM方式導入は、特に大手ゼネコンの意識改革を促したい国交省の思惑もあるのだ。
もっともCM方式には「ゼネコンへの丸投げとなる」との懸念の声も出ており、きちんとした監視体制を確立・運用できるかどうかなど、課題は少なくない。
しかし、急激に進んだ人手不足と、未曾有の大災害や政権交代などによって生まれた莫大な建設需要によるミスマッチを乗り切るためには、さまざまな受発注の仕組みを効率化することが必要不可欠となる。
談合がなくなり、一転してダンピングの泥沼であえいできたゼネコン業界。適正価格”や業務効率化を追求する取り組みはまだ道半ばだ。
行政側の意識改革は当然だが、ゼネコン自身も稼ぎ方に関する考え方を改め、収益構造を変えなければ生き残りは難しい。
◆被災地で賃金ピンハネ疑惑!下請けが抱える意外な事情
「元請けは高い労務費を支払っているのに、労働者はさほど高い賃金を受け取っていない」-。
昨年ごろから、被災地を中心にこんな現象が話題になっている。
途中で誰かがピンハネしているに違いない。事態を重く見た国交省も調査に乗り出しているというが、そこには意外な事情があるようなのだ。
背景には、突然降って湧いた公共工事によって、現場ごとの労務費の単価にかなりの開きが出ていることがある。
例えばガードマン。これまでは元請けと下請けとの問で、1日当たり8000円で契約していた。それが、人手不足が深刻になるにつれ、今では1万8000円もの高値で契約されることも珍しくない。
現場によって日給に2倍以上もの開きがあるわけだが、仕事はまったく同じ。賃金に差をつけては、大問題になることが目に見えている。
そこで、元請けから受け取る労賃が上がっているにもかかわらず、以前と同じ賃金を労働者に払っているのだ。
もっとも、社長の賃金を削って何とか会社を持たせていたような下請けも少なくないことから、仕方なくやっているとはいえ、このピンハネでようやく「メシを食える」と喜ぶ声も聞こえてくる。
一方、一番割を食っているのは、元請けのゼネコンだ。利益を圧迫されているにもかかわらず、末端の労働者に賃金アップ分か渡らないのであれば、いつまでたっても労働者を集めることにつながらないためだ。
ただでさえ3Kと敬遠される建設業労働者。特に若者は「コンビニで働いているほうが楽でいい」などと言って建設業の門を叩かないという。人手不足問題を根本的に解決するためには、業界を挙げた取り組みが必要だろう。

 

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